第2章 結婚式

昭和49年11月23日 挙式の模様(結婚指輪)

 昭和49年11月23日に結婚、婚約期間7カ月半の月日を経て、互いに夫婦としての心構えはできていた。婚約期間中のことは、日記に事細かく記されているが、結婚一カ月前から労働組合の執行委員になり、多忙を極め、ぎりぎりの生活の中で結婚式を挙げる事になった。

 日記には日々数行記されているだけで、結婚当初は妻の事はほとんど記されてない。したがって、婚約中の様に元となる記述はゼロに等しく、記憶もほとんど残っておらず、愛妻記は唯一の記録、写真(ネガからデジタル化)から追想していくしかなかった。

 写真で推測して見ると、妻は元より、私も少なからず緊張していたと思われる。お色直しが二回あって、洋装になった時に、友人等の挨拶に、妻は初めて笑顔を見せたようである。妻の花嫁衣装の姿も全く記憶になく、妻の、白無垢姿の写真を見ると、私の求めていた妻らしさが滲み出ている。

 妻は人前に出るのが大の苦手で、主役になったのは結婚式が最初と思われる。妻は引っ込み思案で、大人しく、臆病と言うのが定説になっているが、実際は少なからず度胸があり、緊張はするのだろうが、人前に出ても物怖じしない。妻の、披露宴での控えめな姿は、主役として一層引き立ち、結婚式に参列した友人らに、羨望されたのも確かである。

 結婚式の写真からも、妻は、優しさと、意思の強さを併せ持っていることが窺える。妻の底知れぬ寛容さに、私は私らしく生き抜いてこられ、妻は、私の後押しによって観音様の様な面差しを、死の間際まで維持し続けてきた。

 結婚指輪

 三三九度

 榊奉納

 披露宴控室にて

 披露宴会場入場

 お色直し・和装

 お色直し・洋装

 結婚式が終わって東京駅・新幹線にて新婚旅行へ